だまし売り裁判
だまし売り裁判は、詐欺的な販売方法や悪徳商法による被害の回復を求める裁判です。だまし売りは、販売者が事実と異なる情報や虚偽の情報を消費者に伝え、欺くことによって、商品やサービスを販売する行為です。様々な悪質商法にだまし売りの手口が使われています。
●点検商法
無料点検を口実にします。点検を装って訪問し、「このままでは危険」「すぐに修理が必要」などと不安をあおり、高額な契約を結ばせます。屋根の破損を故意に作り出し、工事契約を迫るような悪質なケースも報告されています。
対象: リフォーム、給湯器、屋根など。
●アポイントメントセールス
販売目的を隠します。「モニターになってほしい」「景品が当たった」などと販売目的を隠して消費者を呼び出し、高額な商品やサービスの契約をさせます。
強引な契約: 帰りたいという意思を示しても強引に引き止め、契約を迫ることもあります。
●次々販売
不必要な商品を次々と買わせます。一つの契約が成立した後、別の商品やサービスも必要だと偽って次々に契約させ、購入額を膨らませていきます。
●原野商法
価値のない土地を売りつけます。将来値上がりすると偽って、実際には価値のない原野や山林を法外な価格で販売する手口です。
二次被害も受けます。原野商法の被害に遭った人に対し、土地の買い取りを持ちかける別の詐欺も発生しています。
●東急不動産だまし売り裁判
東急不動産だまし売り裁判は不動産デベロッパーの東急不動産が販売した新築分譲マンションについて、販売時に隣地建て替えによる日照・眺望・通風喪失という不利益事実を説明しなかったとして、購入者が詐欺的な販売手法(だまし売り)を訴えたものです。販売時の説明と実際の状況が異なっていたことが問題になりました。東急不動産だまし売り裁判は、不動産売買契約を消費者契約法で取り消したリーディングケースとなりました。
●東急不動産だまし売り裁判の概要
東急不動産だまし売り裁判では、東急不動産の不利益事実の不告知が認定されました。
原告:東急不動産(販売代理:東急リバブル)から新築分譲マンションを購入した消費者。
訴訟内容:隣地が建て替えられたことで、マンションの採光・通風・眺望が損なわれ、価値が下落したことに対して、消費者契約法違反を主張。
被告:東急不動産
主張:消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、売買代金の返還を求めた。
隠された事実: 隣地建て替えによる日照、採光、眺望、通風の喪失。
法的根拠: 消費者契約法第4条第2項(不利益事実の不告知)。
東急不動産だまし売り裁判では、以下の点が争点となりました。
不利益事実の認識の有無:東急不動産側が、隣地に建物が建設される計画があり、それがマンションの採光や眺望に影響を与えることを認識していたかどうか。
不利益事実の告知義務の範囲:認識していたとしても、それを購入者に告知する法的な義務があったかどうか。消費者契約法第4条第2項の「不利益事実の不告知」に該当するかどうか。
●だまし売りに関わる法律
「だまし売り」と呼ばれる行為は、日本の法律では主に消費者契約法や特定商取引法によって規制されています。消費者契約法では事業者が消費者に対して虚偽の説明や不確実なことを断定的に告げるなどの不当な勧誘を行った場合、消費者は契約を取り消すことができます。また、消費者の利益を不当に害する不当な契約条項を無効にします。
事業者が消費者に対して、契約の重要事項について事実と異なることを告げたり、故意に不利な事実を告げなかったりした場合、消費者は契約を取り消すことができます。東急不動産だまし売り裁判でもこの不利益事実の不告知が適用されました。
特定商取引法は、訪問販売や通信販売など特定の取引形態において、虚偽・誇大な広告や不当な勧誘行為を禁止しています。
民法は、契約に関する基本的なルールを定めています。民法における詐欺が証明できれば、契約の取り消しや損害賠償を請求できます。
宅地建物取引業法は、不動産取引におけるだまし売りを防ぎます。不動産業者に対して、重要事項の説明義務などを定めており、違反した場合は業務停止処分などを受けます。不動産取引では、物件の重要な情報(隣接地の問題、騒音、土地の権利など)が正確に伝えられないケースが「だまし売り」に該当することがあります。
